2010年4月24日土曜日

フランスの超学歴社会

残すところ21日。


今日フランスのScience-Po(シアンスポ)から来てる友達が冗談交じりに言っていて、頭に残ってるのが、

  「もう革命は100年以上前におわってる。保守的だろうと、これがフランスの社会の仕組なんだ。」

このセリフは、彼らが、帰ったらENA(Ecole Nationale d’Administration)とよばれる、大学院の入学に挑戦する話をしてたときにでてきたもの。どのくらいフランスが学歴社会かというと、そのENAに行くと、年当たり約40人が卒業し、その40人がそのまま20年後、政府の大臣、ルノーなどフランスの看板大企業のCEOを独占する。政治に関しても、リベラルな政党の党首でさえENAの卒業生で、トップは全員が旧知のなか、というのが常とのこと。

また「システムの中には入ってしまえば、文句はない。もし外にいたら、文句ばかりだろう」とも。現大統領のサルコジは、Science-Poから続いてるそのレールの上にのっていなく、このエリートシステムを壊そうと、一度上記のENAを廃校にしようとしたが、政治家、企業家、官僚、すべてからの反対により断念したとのこと。

けれども、大統領としてのサルコジは、現代のナポレオンとみる人もいるらしく、スポーツ選手でいうと、最速や最強ではないが、政治のゲームに強い戦略的頭脳という一芸をもった選手といえるとのこと。



さて、この階層の再生産をし続ける強固なエリートシステムは、明らかに機械が均等ではないが、社会にとって有害なのだろうか、それとも求心力をもたせるためには有益なのだろうか。それでも、民・官・学の流動性は日本と比べ十分存在し、能力主義も根づいていると聞く。非常にセンシティブな議論なので、少し考える時間をもつことにする。


では。

2 件のコメント:

  1. ENAにしてもPolytechnique(最高峰の一つ)にしてもものすごく狭き門で、そこに入る人たちはものすごく高い能力を持っていることは確か。

    でもその能力が実際の問題解決に有用かどうかは別だし、自由競争が少ない世界で果たして卒業後に適切な能力が磨かれるのかは疑問だよね。

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  2. ポリテクニークも相当大変らしいね。

    書いてくれた通り、国家運営ないし企業経営に”適切な能力”って、往々にして”高い能力”とかいわゆる”優秀さ”とは別物だと思う。多少の相関はありえるにしろ、日本の政治みてるとそれを強く感じさせられる。

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